こんにちは。プロダンサーの北牧雅文です。
腰が痛いと日常生活に支障をきたすので、早く解消したいですよね。
知人や家族が腰痛でつらい思いをしていると、かわいそうだと思うだけでなく「自分は悩みたくない」と考えてしまう方もいるでしょう。
以下のような悩みを抱える方が多い印象がありますが、あなたはいかがですか?
腰が痛くて体を動かしたくない
ぎっくり腰になったことがあり、もうつらい思いをしたくない
どうにかして腰痛を防ぎたい
腰痛が生じると、治療して一時的に緩和しても、繰り返してしまうことがあります。体を動かすときに痛みが生じることが多く、運動不足になり、腰痛が悪化してしまうことも…。
負のスパイラルに陥らないためにも、今から対策して腰痛を予防することが大切です。そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
- 腰痛の危険度
- 腰痛に関わる筋肉
- 腰痛予防におすすめのストレッチ・トレーニング
ストレッチやトレーニングは、体を動かす習慣のない方でも実践しやすい種目を厳選しました。腰痛の予防に社交ダンスがおすすめの理由も解説するので、ぜひ最後までお読みください。
【ケース別】腰痛の危険度
ここでは、腰痛の危険度を以下のケース別に解説します。
- じっとしていても痛い
- 背中が曲がっている
- お尻や脚も痛い・しびれる
- 体を動かしたときだけ痛い
すでに腰痛に悩んでいる方は、どれくらい危険か把握した上で対処する必要があります。症状が重い順に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. じっとしていても痛い
じっとしていても腰が痛いなら、今すぐ病院に行くことをおすすめします。なぜなら、以下のような脊椎や内蔵などの病気が疑われるからです。
- 化膿性脊椎炎
- 脊椎腫瘍
- 尿路結石
- 腎盂腎炎(じんうじんえん)
- 急性胃炎
- 胃十二指腸潰瘍
- 急性膵炎
腰の痛みだけではどのような病気に罹患しているかわからないので、病院で検査を受けましょう。まずは、お近くの整形外科に行ってみてください。
お近くの整形外科での検査が難しい場合は、紹介状を書いてもらえます。費用はかかってしまいますが、重大な病気の場合は早く治療を開始することが重要です。
ご自身で判断せず、医師に相談するようにしましょう。
2. 背中が曲がっている
背中が曲がっている場合は、骨粗しょう症などの可能性があります。骨粗しょう症とは、骨がスカスカになり、もろくなる病気です。
男性でも罹患しますが、特に閉経後の女性に多くみられます。骨粗しょう症が原因で腰が痛いなら、背骨がつぶれてしまっている可能性があるので要注意です。
放っておくと悪化してしまう病気なので、早めに病院に行きましょう。医師に相談して骨粗しょう症になっていることがわかれば、骨の破壊を緩やかにしたり形成を促進したりする薬を処方してもらえます。
3. お尻や脚が痛い・しびれる
腰だけでなく、お尻や脚が痛かったりしびれたりするなら、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)や椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどの可能性があります。
腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアは、進行するとお尻や脚の痛みやしびれが悪化してしまいます。初めは少ししびれる程度でも、治療しないと日常生活に支障をきたすほどの症状になるリスクがあるので要注意です。
一方で、自然経過で症状が和らぐケースもあるので、早めに病院に行って診察を受けましょう。
4. 体を動かしたときだけ痛い
体を動かしたときだけ痛い場合は、腰の関節や筋肉が原因の場合が多いです。しばらく安静にしていると、改善する可能性があります。
ただし、症状が悪化してきたり3ヶ月以上経過しても改善しなかったりする場合は、治療が必要と判断できます。また、スポーツをしているなど体を動かす習慣があるなら、早めに受診することで正しい対処法を教えてもらうことが可能です。
湿布や痛み止め薬の処方により、症状が緩和する可能性もあるので、医師に相談してみてください。
腰痛に関わる4つの筋肉
腰痛に関わる筋肉は、主に以下の4つです。
- 腸腰筋(ちょうようきん)
- 腰方形筋(ようほうけいきん)
- 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
- 大臀筋(だいでんきん)
筋肉の衰えや凝りによって腰への負担が大きくなり、痛みが生じることがあります。原因を考えるためにも、腰痛に関わる筋肉を知っておきましょう。
1. 腸腰筋(ちょうようきん)
腸腰筋(ちょうようきん)は、股関節の深部にある筋肉です。以下の3つの筋肉をまとめて、腸腰筋と呼ばれています。
- 大腰筋(だいようきん)
- 腸骨筋(ちょうこつきん)
- 小腰筋(しょうようきん)
腰から太ももの付け根まで伸びていて、脊柱(背骨)に左右対称に付着しているのが特徴です。腰を前に倒すときや歩くときなどに使われます。
腸腰筋は、正しい姿勢を保つために必要な筋肉です。動かす機会が少ないと、腸腰筋が縮まって腰痛が生じることがあります。
特に、デスクワークが中心の方やドライバーは、座っている時間が長いので、腸腰筋が縮まりやすいです。腰痛を防ぐには、ウォーキングするなどして腸腰筋を動かすようにしましょう。
2. 腰方形筋(ようほうけいきん)
腰方形筋(ようほうけいきん)は、下部肋骨と脊柱(背骨)・骨盤に付着している筋肉です。左右対称に存在し、姿勢を安定させる役割を果たしています。
左右のバランスが崩れると、骨盤が傾いて腰痛が生じることがあります。体を片方に倒す機会が多いと、左右差が生じやすくなるので要注意です。例えば買い物をした際に、いつも右手で荷物を持つなどが該当します。
また、重い荷物を持ったり腰を曲げて作業したりすることが多いと、腰方形筋に負担がかかります。すでに腰に痛みがあったり違和感があったりするなら、負担がかからないように過ごすことが重要です。
3. 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、脊柱(背骨)に沿って頭蓋骨から骨盤まで繋がっている大きな筋肉です。以下の3つの筋肉から成り立っています。
- 棘筋(ちょくきん)
- 最長筋(さいちょうきん)
- 腸肋筋(ちょうろっきん)
背骨を真っ直ぐに保つ働きがあります。つまり、正しい姿勢をキープするために欠かせない筋肉ということです。
脊柱起立筋が弱くなると、腰が曲がって痛みが生じることがあります。定期的に筋トレを行い、筋力が弱まらないようにするのが大切です。
また、立ちっぱなしや座りっぱなしなど同じ姿勢でいる時間が長いと、脊柱起立筋に負担がかかります。脊柱起立筋に負担がかからないように、こまめに体を動かすことを心がけましょう。
4. 大殿筋(だいでんきん)
大殿筋(だいでんきん)は、お尻を覆っている大きな筋肉です。運動不足などによって筋力が低下すると、骨盤が前傾あるいは後傾しやすくなり、きれいな姿勢をキープしにくくなります。
姿勢が崩れると、腰痛が生じやすくなります。悪化すると、立っているときだけでなく、座っているときも痛みを感じることがあるので要注意です。
座りっぱなしが多いなどで、大臀筋を動かす機会が少ないと、筋肉が固くなります。強い痛みがないのであれば、ストレッチをするだけでも楽になる可能性があります。
腰痛の予防にもなるので、定期的にストレッチしてみてはいかがでしょうか。
腰痛改善におすすめのストレッチ4選
腰痛改善におすすめのストレッチは、以下の通りです。
- 腸腰筋のストレッチ
- 腰方形筋のストレッチ
- 脊柱起立筋のストレッチ
- 大臀筋のストレッチ
上記のストレッチを行えば、腰痛に関わる筋肉の柔軟性を高められます。筋力だけでなく、柔軟性の低下も腰痛の原因になります。
硬くなった筋肉をほぐすことで、可動域が広がって腰への負担を軽減可能です。自宅で手軽にできるストレッチをピックアップしたので、ぜひ行ってみてください。
1. 腸腰筋のストレッチ
片膝立ちで手軽にできる腸腰筋のストレッチです。
- 足を前後に開く
- 後ろ側の足の膝をつく
- 両手を前側の足の膝に置く
- ゆっくり上体を前にスライドさせる
- ゆっくりと元に戻す
10〜15秒かけて、ゆっくりと上体を動かします。左右それぞれ5〜10回行いましょう。
体重をかけると膝が痛む場合は、無理をしないことが重要です。ストレッチマットを敷くと、負担を軽減できます。
2. 腰方形筋のストレッチ
腰方形筋のストレッチは、四つ這いの姿勢で行います。場所を取らないので、自宅でも問題なく実行可能です。
- 四つ這いの姿勢をとる
- 息を吐きながらゆっくり背中を丸める
- 四つ這いの姿勢に戻る
- 息を吸いながら背中を反らす
5〜10回行います。お尻を突き出すようにして、背中を反らせましょう。
ゆっくりとした動作で、呼吸を意識するのがポイントです。背中を丸めたり反らせたりしたときに痛みを感じるなら、動きを制限するのがおすすめです。
あまりにも痛いなら、腰痛が悪化するリスクがあります。ストレッチは行わず、整形外科を受診してください。
3. 脊柱起立筋のストレッチ
脊柱起立筋のストレッチは椅子に座って行うので、仕事の合間でもできます。
- 椅子に腰をかけて背筋を伸ばす
- ゆっくりと腰をひねる
- 深呼吸しながら姿勢を20秒間キープする
- 息を吐きながらゆっくり戻す
左右、5〜10回を目安に行います。腰をひねったとき、肩が椅子に当たらない程度の深さで腰をかけてください。
腰をひねったときに、背中の筋肉が伸びているか確認しましょう。
4. 大臀筋のストレッチ
椅子があれば、大臀筋のストレッチもできます。
- 椅子に腰をかける
- 片足を反対側の膝の上に置く
- 上体をゆっくりと前方にたおす
- ゆっくりと上体を起こす
左右、5回を目安に行います。深呼吸しながら、20秒くらいかけて行いましょう。上体をたおすときに、背中が曲がらないようにするのがポイントです。
腰痛予防におすすめの筋トレ5選
ここでは、腰痛の予防におすすめのトレーニングを紹介します。
- ドローイン
- プランク
- カールアップ
- ヒップリフト
- バードドッグ
器具なしで、筋トレの経験がない方でもできる種目を厳選しました。トレーニングのやり方だけでなく、注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. ドローイン
ドローインは、体幹の深い部分にあるインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。体幹の筋肉が強くなると、正しい姿勢をキープできるので、腰痛予防に効果的です。
- 仰向けになって両膝を曲げる
- 大きく息を吸ってお腹を膨らませる
- 息を吐きながらお腹を凹ませる
- お腹を凹ませたまま10〜20秒深呼吸する
無理のない範囲で繰り返しましょう。目安の回数は10回です。お腹に手を当てながら行うと、筋肉が収縮しているか確認できます。
2. プランク
プランクは、お腹や背中を鍛えられるトレーニングです。体幹の大きな筋肉を鍛えられるので、正しい姿勢を維持しやすくなります。
- うつ伏せになる
- 前腕・肘・つま先をついて姿勢をキープする
肩からかかとまでが一直線になるようにします。シンプルな動作で手軽にできますが、姿勢をキープするのが難しいです。
1回30秒を目安として、徐々に時間を伸ばしましょう。姿勢をキープできないと腰に負担がかかるので、無理せずに休むようにしてください。
筋トレ初心者の方は、膝をついて行えば無理なくできるでしょう。
3. カールアップ
カールアップは、腹筋を鍛えるトレーニングです。腹筋を鍛えることで、正しい姿勢を維持できるようになり、腰への負担を軽減できます。
- 仰向けになって両膝を曲げる
- 両手を腰の下に入れる
- 手の甲を腰で圧迫するようにしながら上体を起こす
- ゆっくり上体を戻す
10回を目安に行いましょう。上体を起こすときに、背中が丸まらないようにするのがポイントです。
完全に起き上がるのではなく、20度程度を目安に上体を起こします。上体を起こすときは息を吐き、戻すときは吸いましょう。
4. ヒップリフト
ヒップリフトは、お尻と背中の筋肉を鍛えるトレーニングです。お尻の筋力低下も腰痛に関わるため、トレーニングで鍛えましょう。
- 仰向けになって両膝を曲げる
- 両手を体の横に置く
- 息を吐きながらお尻を持ち上げて姿勢をキープする
- 息を吸いながら下ろす
10〜20回を目安に行います。姿勢をキープする時間の目安は、20秒です。腰をそらさずに、肩から膝までが一直線になるようにします。
5. バードドッグ
バードドッグを行うと、体幹の深部にある筋肉であるインナーマッスルを鍛えられます。姿勢の維持に関わる筋肉なので、鍛えておくと腰痛を予防できる可能性があります。
- 四つ這いの姿勢をとる
- 肩甲骨を軽く寄せる
- 片方の手と反対側の足を床から離して伸ばす
- 四つ這いの姿勢に戻る
目安の回数は10回です。ただし、少し負荷が大きいトレーニングなので、無理をしないようにしましょう。
腰が反ってきたり、安定感がなくなってきたりしたら、中断するのがおすすめです。また、力を入れる際に呼吸が止まりやすいので、一定のペースを乱さないように気をつけてみてください。
腰痛予防には社交ダンスがおすすめ
社交ダンスをすると、全身の筋肉を鍛えられます。特に、体幹や下半身の筋肉を強化できるので、腰痛を予防する効果が期待できます。
血流も良くなるので、社交ダンスによって血行不良が原因の腰痛が解消することもあるでしょう。社交ダンスは、年齢を問わず取り組めるのがメリットです。
年配の方でも無理のない動きで踊れるので、楽しみながら腰痛予防や解消を目指せます。